EDとは

EDイメージ

ED診療ガイドラインでは、ED(Erectile Dysfunction:勃起障害)とは「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」と定義されています。当院ではEDに関し、ED治療薬を用いた自費診療を行っています。

EDの原因としては、心因性(ストレスなど)のもの、器質性(神経障害などのもの、さらには)加齢や生活習慣病、他の病気の治療で使用している薬剤によるものなどが考えられています。当院では患者さんひとりひとりを丁寧に診断させていただき、原因を見極めて、ED治療薬の適応と判断した場合、診察と治療を行っていきます。
※他の病気がある場合や服用中の薬剤が原因と考えられる場合や、薬の使用の不適切症例の場合は、ED薬剤の使用以外に原疾患の治療を優先し、すぐさまのED薬剤処方ができない場合がありますのでご注意ください。

EDの治療薬としては、「バイアグラ」「シアリス」「レビトラ(現在はジェネリックのみ)」といった、複数の有効な治療薬が開発されています。これらは「PDE5阻害薬」と呼ばれるもので、陰茎の平滑筋の弛緩を促して陰茎海綿体への血流を増加させることにより、勃起機能を改善します。当院では、患者さんの症状やご希望、ライフスタイル等に合わせ、最も患者さんに適していると思われる治療薬を処方していきます。

これらの治療薬は、それぞれによって、効果の強さや持続時間、また副作用の出方、他の疾患(心疾患や肝機能障害など)との禁忌の有無などが異なりますので、医師の診断きちんと受け、服用に際しては医師の指示に従うことが非常に大切です。

バイアグラについて

すでに多くの実績もあり、効果も比較的強い薬剤です。名前は大変有名ですが、最近では改良されている新しいタイプのED薬が多く出回っています。良い薬ですが、食後などで消化管に食物残渣が多いと吸収効率が低下する弱点がありますので空腹時の服薬が効果的です。

副作用として考えられる症状として、以下のようなものがあります。

  • ほてり、顔が赤くなる、めまいなど
  • 頭痛
  • 動悸
  • 胃腸機能の低下による消化不良、腹痛、嘔吐、胸やけ等
  • 目の充血、視覚異常
  • 鼻づまり

※これらの症状は、一時的に血管拡張が起こるために引き起こされるもので、そのほとんどは薬の効き目の消失とともに改善され、後遺症が残るようなものではありません。

※また本薬剤と併用禁止の薬もいくつかあります。狭心症加療などで使用されるニトロのお薬などとの併用は特に厳禁、禁忌となっています。これらの併用禁止薬剤との併用によって血管弛緩が高度になって血圧が急激に低下することにより身体的には重度の危険が発生する可能性が高まります。主に下記に当てはまるような方は、バイアグラの服用は基本禁止となります。

  • 過去にバイアグラ(主成分:シルデナフィル)にアレルギー反応を起こした方
  • 過去に脳梗塞・脳出血・心筋梗塞に罹った方
  • 心血管系障害(心臓疾患など)のため、性行為が不適当と考えられる方
  • 低血圧の方で治療による適切な管理がされていない方
  • 高血圧の方で治療による適切な管理がされていない方
  • 網膜色素変性症の方
  • 肝機能障害の方
  • 腎不全の方
  • 硝酸剤(ニトログリセリン等)など、狭心症や不整脈他の心臓・血管系の疾患等の各種治療薬を投与中の方(治療薬の成分等について重篤な副作用のあるものがありますので、必ず医師にお伝えの上、指示に従ってください)

シルデナフィル錠(バイアグラのジェネリック)について

バイアグラのジェネリック薬品(後発薬)としては2014年に登場したシルデナフィル錠があります。国内の主要な製薬会社から販売されており、先発薬と同様の成分・効果で、価格は比較的安価となっています。副作用、および禁忌等はバイアグラと同様です。

シアリスについて

2007年に製造販売が承認された、日本国内では、日本新薬が販売するED治療薬です。バイアグラやレビトラと比較して、大きな特徴は圧倒的に長時間持続するED治療薬とされています。また非常に大きな特性としては、陰茎海綿体の線維化抑制作用があり、定期的な内服によって、勃起機能の改善が期待できるという点です。間質性肺炎や肝硬変などの線維化の主とする疾患の加療薬としても注目されています。世界的にも人気が高い薬剤となっています。また前立腺肥大症の治療としても有効で、排尿症状の改善にも寄与します。

前記2剤に比べ、副作用は非常に少ないとされており、実際の臨床現場でも副作用は極めてまれと言えます。心臓疾患等がある方は服用できません。

副作用が現れる場合、以下のような症状がみられることがあります。

  • ほてり、顔が赤くなる、めまい
  • 頭痛
  • 胃腸機能の低下による消化不良
  • 背部痛、腰部痛、筋肉痛
  • 目の充血
  • 鼻づまり

※これらの症状は、一時的に血管拡張が起こるために引き起こされるもので、そのほとんどは薬の効き目の消失とともに改善され、後遺症が残るようなものではありません。

※また薬剤によって血圧が急激に低下することにより、狭心症と同様の症状が現れることがあります(非常にまれ)ので、主に下記に当てはまるような方は、シアリスの服用をお控えください。

  • 過去にシアリス(主成分:タダラフィル)にアレルギー反応を起こした方
  • 過去に脳梗塞・脳出血・心筋梗塞に罹った方
  • 不整脈、不安定狭心症の方
  • 心血管系障害(心臓疾患など)のため、性行為が不適当と考えられる方
  • 低血圧の方で治療による適切な管理がされていない方
  • 高血圧の方で治療による適切な管理がされていない方
  • 網膜色素変性症の方
  • 肝機能障害の方
  • 腎不全の方
  • 硝酸剤(ニトログリセリン等)など、狭心症や不整脈他の心臓・血管系の疾患の各種治療薬を投与中の方

タダラフィル錠(シアリスのジェネリック)について

シアリスのジェネリック薬品(後発薬)としては2020年に登場したタダラフィル錠があります。国内でも主要な製薬会社から販売されており、先発薬と同様の成分、効果で、価格は比較的安価となっています。副作用、および禁忌等はシアリスと同様です。

レビトラについて ※現在バイエル薬品製造停止中

2004年に製造販売が承認されたレビトラは、バイエル薬品によるED治療薬で、バイアグラよりも比較的効果が強く、早く現れるとされています。ただし現在、バイエル製薬からの販売は行われておらず、ジェネリック薬品のみとなっています。

副作用として考えられる症状として、以下のようなものがあります。

  • ほてり
  • 動悸
  • 頭痛
  • めまい
  • 鼻づまり
  • 胃腸機能の低下による消化不良、腹痛、嘔吐、胸やけ等

※これらの症状は、一時的に血管拡張が起こるために引き起こされるもので、そのほとんどは薬の効き目の消失とともに改善され、後遺症が残るようなものではありません。

※またレビトラは併用禁忌薬に指定されている薬品が多いため、必ず医師の指示に従ってください。またレビトラとバルデナフィルは65歳以上の年齢では容量が制限されます。レビトラ使用の注意症例の要点を下記に示します。

  • 過去にレビトラの(主成分:バルデナフィル)にアレルギー反応を起こした方
  • 過去に脳梗塞・脳出血・心筋梗塞に罹った方
  • 心血管系障害(心臓疾患など)のため、性行為が不適当と考えられる方
  • 低血圧の方で治療による適切な管理がされていない方
  • 高血圧の方で治療による適切な管理がされていない方
  • 網膜色素変性症の方
  • 肝機能障害の方
  • 腎不全の方
  • 硝酸剤(ニトログリセリン等)など、狭心症や不整脈他の心臓・血管系の疾患の各種治療薬を投与中の方(治療薬の成分等について重篤な副作用のあるものがありますので、必ず医師にお伝えの上、指示に従ってください)
  • 抗真菌薬使用中
  • ある種の抗不整脈薬使用中

バルデナフィル錠(レビトラのジェネリック)について

レビトラのジェネリック薬品(後発薬)としては2020年に登場したバルデナフィル錠があります。国内主要製薬会社等から販売されており、先発薬と同様の成分、効果で、価格は比較的安価となっています。副作用、および禁忌等はレビトラと同様です。現在はレビトラが販売されていないため、バルデナフィル錠の処方になります。