一般泌尿器科とは

一般泌尿器科イメージ

泌尿器とは、尿をつくり、排泄する器官の総称で、左右の腎臓や尿管、膀胱、尿道によって構成されています。泌尿器科はこの泌尿器および、男性の生殖器を中心に診療する科となっています。当院の泌尿器科は、男性だけでなく、女性も、またお子様から高齢者の方まで幅広い年代の患者さんが受診できます。
内科などに比べると、あまりなじみのない科かもしれませんが、泌尿器、また生殖器に関わる病気は、早期に治療をしないと重篤な症状に至ってしまうものもありますし、あまり人には言えない部分の悩みや不快な症状は、精神面でも大きなストレスとなってしまいます。少しでも気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

血尿・尿潜血

肉眼的血尿と言って、尿を見て明らかに血液が混じっているとわかる場合や、職場や学校の尿検査で、尿潜血反応が陽性となった場合(顕微鏡的血尿)は、痛みなどの症状がなくても、なるべく早めに泌尿器科を受診し、詳しく検査することが必要です。
血尿の原因としては、尿路感染症や、膀胱がんなどの腫瘍性疾患、腎臓や尿管の結石症、糸球体性腎炎など腎臓疾患等々、様々な病気が可能性として挙げられます。これらの中には自覚症状がほとんどないものもあり、血尿が続く場合には注意が必要です。
血尿があると考えられる場合、尿検査や腹部エコー(超音波)検査、レントゲン検査、血液検査などを行います。また前立腺がんや膀胱がんが疑われる場合は、膀胱鏡という器具を用いた内視鏡検査を行いこともあります。その場合は、検査内容や方法について、丁寧にご説明いたします。

膀胱炎

膀胱炎は特に女性によくみられる疾患で、細菌の感染により炎症が引き起こされてしまう病気です。急性の症状の場合が多く、排尿時の痛みや違和感、残尿感、下腹部痛などの不快な症状の他、頻尿、尿失禁、血尿などがみられます。発熱がある場合もありますが、通常は少なくなっています。
膀胱炎は自然に治ってしまうことはほとんどありませんので、なるべく早めに泌尿器科を受診していただき、治療によってしっかりと完治させることが大切です。抗菌薬を中途半端に使用してしまうと、耐性菌が発生してしまう例もあり、薬を正しく服用して、完全に病原体の根絶をすることが重要ですので、必ず医師の指示に従いましょう。
検査では、尿検査、腹部エコー(超音波)検査などを主に行います。苦痛を伴う検査や恥ずかしい検査は一切行いません。一部の症例に関しては、尿を検査の材料とする培養検査や細胞診検査、腹部レントゲン検査を行う場合もあります。
当院では治療に関し、抗菌薬を的確かつ十分に使用し、全症例において完全治療を目標に置いています。気になる症状がありましたら、自己判断をせずに、お気軽にご相談ください。

尿路結石症

尿路結石症は、結石の部位によって腎臓結石・尿管結石・膀胱結石などと名称が変わります。30~50代の男性に多くみられ、「疝痛発作」という非常に強い痛みが生じることもある病気です。
尿管に結石が詰まった場合(尿路に結石が嵌頓“かんとん”した状態と言います)、尿が通過しにくくなり、尿が腎盂(腎臓内の尿の貯留部)に充満してしまいます。すると腎盂が腫れ、拡大してしまう「水腎症」という状態になります。それにより腎臓も腫れ、被膜が伸ばされることで非常に強い痛みが発生するのです。多くの場合、腰背部の痛み、側腹部の痛みが現れますが、その痛みが非常に強いため、疝痛発作とも言われます。自律神経への影響も大きく、腹部膨満や嘔吐もしばしば併発します。ひどいと全く動けないほどの激痛になります。 尿路結石症の治療では、まず痛みを抑えるための薬物治療等を行い、さらに結石の検査を詳しく行っていきます。検査では、尿検査、血液検査、腹部エコー(超音波)検査などを行い、結石がある部位、大きさなどを理も確認していきます。
尿路結石症は、非常に再発率の高い病気です。そこで当院が最も力を入れているのが「再発予防」です。疝痛発作を起こしてしまうと、社会生活や日常生活に大きく支障をきたしてしまいます。その痛みを再び発症しないようにするためにも、また、腎臓機能を健康に保つためにも、予防することは重要です。
現在痛みの症状があって尿路結石が疑われる方はもちろん、まだ症状がなくても、尿潜血があるなど検診で結石症の疑いがあると指摘された方、または尿路結石の再発を何度か経験されている方は、ご受診されることをおすすめします。

蛋白尿・尿たんぱく

健診等で指摘されることが少なくない症状のひとつです。本来、尿として排出されることの内タンパク質が、腎臓の濾過機能を担う糸球体を通過して、尿に混じってしまうもので、症状の度合いは様々ですが、中には注意すべき腎臓疾患が原因となっている場合があります。自覚症状が無いことも多くありますので、指摘された場合は、一度泌尿器科で詳しく調べておくことが非常に大切です。
蛋白尿を引き起こす原因となる疾患としては、糸球体性腎炎、ネフローゼなどの腎臓疾患や、まれに甲状腺機能障害、心不全の兆候などが考えられます。これらを確認する検査としては、尿検査の他、血液検査を行います。また血圧や胸部レントゲン検査、心電図検査など、適切な治療を行うため、全身のスクリーニング検査を行って、原因を特定する場合もあります。

腎機能障害・腎不全

腎機能障害は、健診などにおける血液検査で、「クレアチニン」の数値が上昇することなどで判明することが多い疾患です。クレアチニンとは、通常は腎臓で濾過されて、尿とともに排泄されます。しかし腎臓の機能が低下すると、濾過しきれなかったクレアチニンが血液中に留まり、血中のクレアチニンの数値が上昇してしまうのです。※クレアチニンは体の筋肉量に応じて変化はします。
腎臓機能低下の要因としては、様々なものがあり、中には進行すると将来的に腎不全に至って人工透析を必要としてしまうような疾患もあります。数値の異常を指摘されましたら、ご自身の腎臓の現在の状況を知る意味でも、一度泌尿器科をご受診ください。
心臓疾患に関しては、なるべく早期、軽度のうちに発見して、生活習慣の改善や治療を開始して、腎機能の保全、つまり腎保護をしっかりとしていくことが大切で、それにより人工透析になることを防いだり、導入を遅らせることができます。

当院では、腎機能の保護に関して、内科的全身管理を重視し、患者さん一人一人に関し、食生活などの生活習慣や血圧等の管理を通じて、全身のケアを行うようにしています。軽度な症例から、人工透析になる可能性があるが透析導入までなるべく時間を稼ぎたい、という切実な症例まで、腎障害の様々なステージに各種専門腎臓専門医に紹介対応していますので、ぜひ、ご相談ください。

高尿酸血症・痛風

生活習慣病の一つである高尿酸血症は、痛風の原因となるとともに、腎機能にも影響与える疾患であり、泌尿器科としても注意が必要な疾患です。尿酸が結晶となり、足指の関節などに蓄積し炎症を起こせば、激痛を伴う「痛風」を発症しますが、腎臓において腎臓結石の原因となり、腎機能の低下を引き起こすものとなってしまいます。また動脈硬化症の原因にもなりますので尿酸値のコントロールは非常に大切です。

以上から、尿酸値を適切にコントロールするということは、泌尿器科においても重要なテーマなのです。当院では食生活をはじめとした生活習慣の指導、血圧の適正なコントロール、尿路結石予防のためのサプリメント指導など、総合的なアプローチにより尿酸値のコントロールを行って、腎臓機能の保護に努めますので、尿酸値が高めの方は、一度ご相談ください。